園の教育研究 幼児の行動のふしぎ

ママと先生の??(はてなはてな)

すぐ気が散るのは、なぜ?

うちの子は、移り気で集中力がないのですが、なぜですか?(年少)

一概に集中力がないといっても、いろいろな意味があります。一か所にじっと落ち着いていないで、身体をいつも動かしている子どものことも、注意が散漫で、ひとつのことに長続きできない子どものことも、多くのことに関心を持ちすぎる子どものことも、一括して「集中力や落ち着きがない」とかといわれているようです。しかし子どもは本来、移り気で落ち着きのない存在です。新しいことに関心を持ち、いろいろ探求し、珍しいものには注意を向けるのが、子どもの特徴だからです。実際、子どもの興味の対象は次から次に移り、飽きることを知りません。子どもはこういう探索活動を通して、能力を発達させていくわけですから、落ち着きのなさの中に発達の原動力があるのかもしれません。

 

だから、落ち着いていることばかりが、必ずしも良いことばかりとは限りません。逆に、動きが少ない子どもとか、慎重すぎてなかなか行動に移せない子どもとか、無気力で関心に乏しい子どもなどの方が、かえって問題が多いのです。実際、落ち着きのなさばかりに気をとられて、それを直すことばかりを考えるのは、子どもの発達そのものを損なうことにもなりかねません。大切なことは、どういうことについて、どの程度、落ち着きがないのかをまず明らかにしてから、それぞれの場合にふさわしい指導を進めることです。

 

落ち着きのなさの原因には、大別すると、三つあります。

 

第一は、心理的な原因です。緊張しすぎるために、運動神経がうまく働かず、手が震えたり、つまづいたりすることがよくありますが、それは一見、集中力がない行動のように見えます。こういうとき、「気をつけて」「落ち着いて」などと注意しないほうがいいでしょう。この場合は、気を楽にしてあげることが、大切なのです。

 

第二は身体的な原因です。身体が弱いとか偏食とか睡眠不足などの原因があると、自制力が乏しくなります。その結果、飽きっぽかったり、身体をじっとしていられなくなったりするなど、落ち着きのない行動をすることとなります。このような子どもは、健康を基本とした生活習慣に切り替えれば、行動も改善されます。

 

第三は、環境的な原因です。とりわけ身の回りの人たちからの影響力は、無視できません。実際、お母さんが落ち着きのない態度をとると、子どもはいつのまにか真似をして、落ち着きのない性格を身につけてしまいます。

 

いずれにせよ、子どもに「落ち着いて」というだけでは逆効果で、かえって子どもは劣等感に陥ってしまうのです。大切なのは、子どもがいつもより少しでも長く集中できれば、褒めてあげることです。子どもは嫌いなことは長続きしません。好きなことにひとつでも集中することを覚えれば、それを奨励しましょう。そうすると次第にすべてのことに集中するようになっていきます。

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