園の教育研究 幼児の行動のふしぎ

ママと先生の??(はてなはてな)

今叱られたばかりなのに担任の先生が好きなの?

先生に叱られても、泣いてしまっても、先生や幼稚園を決して嫌いにならないのは嬉しいですけど、どうしてでしょう?クラスの子にとって担任は絶対的に担任なんです。他の先生ではだめで、若くてかわいい先生でも、よそのクラスの担任ではだめで、なんといっても担任の先生でなくてはだめなのはどうしてでしょう?

従来の心理学では、好きとか嫌いとかいう感情は、快・不快の感情に結びついていると見なされてきました。快感をいつも与えてくれる人には「好き」という感情を寄せ、いつも不快感を与える人には「嫌い」という感情を寄せることとなる、というのです。
しかし、例えば、ベビーシッターが食事などの世話をしてくれるなどして、子どもにどんな快感を与えてくれるにしても、子どもはベビーシッターよりもお母さんが好きなのです。

子どもは、お父さんがどんなに厳しくしても(つまり叱られる度に不快感を感じても)やはりお父さんが好きなのです。
実は「好き」という感情の起源は、快感ではなく、子どもがその人に接触している頻度と、相互の関わり方に関係しています。確かに、子どもがお母さんを好きになるのは誕生直後に形成される「刷り込み」という生物的原因があります。しかしそれだけでなく、子どもが接している時間が最も多いのは、お母さんです。この頻繁に接しているという経験が、好きになる原因なのです。
とりわけ、子どもが接しているときの相互作用のあり方が、好悪感を大きく左右します。子どもが微笑したり、発声したりして相手に働きかける時、それを敏感に見てとり、微笑をかわしたり話し返したりして応答してくれる相手には好感を抱きます。というのも、子どもは自分の行動によって、相手になんらかの影響を与えることができたと感じたからです。
つまり、自己効力感を味わうことができたわけで、子どもはそういう人を好きになるのです。
逆にそういう応答がいつも得られない場合には、「自分は相手に何の作用を及ぼすことができない。自分は何をしても無駄だ。」という無力感を感じるようになります。
たとえ相手からの反応があっても、それが自分の思いや願いを無視されたような反応であれば、自己効力感を持つことができないので、その人を嫌うようになります。このように、相手に対する子どもの好悪感は、子どもが働きかけたときにする応答のあり方が最も大きく決定するわけです。子どもにとって先生や幼稚園が好きなのは、幼稚園が先生や友達と毎日一緒に活動できる場であり、頻繁に関わり合い、相互に応答しあう喜びをもつからです。また、先生達の中でも特に担任の先生が好きなのは、担任の先生が一人ひとりの子どもに寄り添いながら、子どもの活動に誠実に応答しているからなのです。

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