保育のレベルアップ 保育者の役割

保育者のスキルアップ手法 研修必要項目について

1.保育の重要性について再認識しよう

現在、子どもの発達に関して脳科学・心理学・教育学の研究からの乳幼児の有能性・人との相互作用・感情の重視など新しい見地からの提言を保育者は理解し日常の保育に活かすことが重要です。
特に注目されている事項は言葉の獲得・(語彙力)、聴く力、数理認識、乳幼児が能動的に関わる事象への見通し、疑問、仮説などあげられます。これらを支える基盤は次の2つにあります。

○脳とからだの発達に不可欠なもの=安心できる、安定した関係性を園や保育者と築くことです
○乳幼児期からの学びの基礎=遊びや生活を中心に考え、主体的な体験が必要です

2.子どもの発達理解と保育者の援助について再認識しよう

幼児の遊びには無自覚な学びがあるのが特徴です。その幼児の無自覚な遊びの中の学びを保育者が自覚することで保育者の援助が明確になり、個々の発達も踏まえた援助が可能になります。
その子どもの発達(感情・性格など含む)を知り子どもの学びを育むには、発達についての基礎知識と発達を見抜く知識と活用力が必要になります。プラス、遊びの発展をみてその遊びから子どもの学びの軌跡をたどり、今後の学びの見通しがもてる保育者の実践知が重要になります。
その遊びを通しての子どもの学びのプロセスや乳幼児の遊びから生まれたそれぞれの「知」を維持しながら、それぞれの「知」を結びつけるのも保育者の役割です。

3.自分の保育を科学化してみよう

PDCAサイクルを考え、保育実践の構造化を図ってみましょう。

P=実践計画
子どもの現在の姿からねらい・内容を設定します。そして評価の観点として具体的に何を観るのかを定めましょう。次に保育者が期待する子どもの姿を見通しながら方略として環境構成と保育者の援助を工夫しましょう。その時に重要なことは、保育者の意図「~のために~をする」を明確にすることです。
D=実践、実行
子ども側からいうと遊びの展開、保育者側からいうと保育実践です。しっかり立案し日々の子どもの姿に応え修正しながら実践しましょう。
C=評価
子ども自身の評価は、この遊びがおもしろかった、また続きをしてみたい、今度はこんな道具を加えてダイナミックにつくり変えたい、失敗してしまった、どこがまずかったのだろうか考える、わからないから調べる、あらためてやってみたいなどでしょう。保育者の評価(自己評価)は、保育の実践記録(事実記録=会話や行動)をもとに子どもの遊びの学びをみとり、解釈します。そして、計画段階の評価の観点と照らし合わせてみましょう。さらに、このサイクルの連続性をもたせるために文脈(子どもの意欲や遊びのプロセス、保育者の期待や発達の見通し)を考えることです。
A=再構築
保育者の自己評価から環境構成、援助(この遊びからこんな子どもに育ってほしい具体的な姿をもち、援助を工夫する)を省察し保育者自身の学びを継続することです。

保育者のスキルアップは、保育実践の構造化を図る中で自ら積み上げ学び続けることにあります。このPDCAサイクルに乗っ取り自分の保育を自己分析し続けることが大切です。

(1)一般基礎力:生活環境知、人間関係知、発達知
(2)専門基礎力:保育・教育課程、保育内容領域、集団保育の基礎

この2層の知識と技術をしっかり学び身につけながら、次のステップへすすんでください。

(3)子ども理解力:基礎力を踏まえて目の前の子どもを理解する力
(4)実践構成力:理解した子どもの姿を踏まえて、知識と技術を活用して実践する力
(5)洞察・判断力:ライブで状況を判断し、援助を決断し実行する力
(6)成長力(反省・内省・評価):専門知・実践知をさらに活用できるように学び続ける力

今までに学んだ知識や身につけた技術を活用して日々の保育を実践しながら(1)~(6)を確立して歩み続けることです。そのためには、新しい保育情報も注入しなければなりません。 それが保育教育研修です。日本幼年教育会の研修に参加してみてください。あなたの(1)~(6)までの新たな力が生まれます。

「四国大学人間生活科学研究所年報第5号」より